Appleは2025年10月15日にプレオーダーを開始し、10月22日に発売した新型Apple Vision Pro(M5チップ搭載)を投入した。価格は256GBモデルで$3,499と据え置きながら、M5チップ(3nmプロセス・10コアCPU・16コアNeural Engine)への換装と、最大リフレッシュレートの100Hz→120Hzへの引き上げを実現。Dual Knit Bandによるフィット感の改善も加わり、初代モデルのユーザーからのアップグレードを明確に意識した仕様となっている。
M5チップがもたらす3つの変化

M5チップ採用の実質的な恩恵は主に3つだ。
- 120Hz対応:micro-OLEDディスプレイを最大120Hzで駆動。動きの激しい空間コンテンツや高速スクロール時のなめらかさが向上する。
- レンダリング効率10%向上:同等の消費電力でより多くのピクセルを処理可能。バッテリー持続時間(一般使用2.5時間/動画視聴3時間)は初代比でほぼ維持されつつ、表示品質が上がった。
- Neural Engine高速化:リアルタイムのPersona生成や空間音声処理が快適になり、visionOS 26の新機能をフルに活用できる。
visionOS 26:空間体験を「使える」ものにした7つの新機能

M5モデルと同時リリースされたvisionOS 26(WWDC25で発表)は、ユーザーの実際の使い方に根ざしたアップデートが中心だ。
- 空間ウィジェット:カレンダー・天気・タイマーなどをフローティングウィンドウとして仮想空間に固定配置
- Look to Scroll:視線だけでスクロール速度を制御。手を使わない完全アイトラッキング操作
- Personas 2.0:横顔・髪・まつ毛・肌色の精度が大幅向上し、FaceTime通話での自然さが増した
- Safari 空間ブラウジング:Webページ内に3Dオブジェクトを埋め込み・閲覧可能
- 180/360度コンテンツ再生:Insta360・GoPro・Canon製カメラとのネイティブ連携
- 共有空間体験:同じ部屋にいる他のVision Proユーザーとリアルタイムで同一体験を共有
- Travel Mode拡張(visionOS 26.2):飛行機のみだったTravel Modeが車・バスに対応
電動車椅子制御への対応が示すアクセシビリティの新フロンティア
visionOS 26.2で予告された機能の中で特に注目を集めたのが、Vision Proの高精度アイトラッキングを電動車椅子制御システム(ToltおよびLUCI製)と連携させる機能だ。Bluetooth・有線接続経由で視線を移動指令に変換する。ARデバイスが純粋なエンタテインメント・生産性ツールを超え、医療・福祉領域への橋渡しになりうることを示す重要な実績だ。
展開国と価格
発売日(2025年10月22日)から米国・英国・日本・オーストラリア・フランス・ドイツ・カナダ・UAE・香港で同時発売。日本価格はApple公式サイトで随時確認のこと。$3,499という価格帯は初代から変わらないが、M5 + visionOS 26のパッケージとしての完成度は初代の比ではない。