2026年5月のGoogle I/O 2026で、XREALはProject Auraを正式発表した。Googleが推進するAndroid XRプラットフォームに対応した最初のARグラスであり、FHD解像度・70度視野角(FoV)という仕様は、現在市場に存在するほぼすべてのコンシューマーARグラスを超える。Googleはこの発表とともに「Android XR Developer Catalyst Program」を立ち上げ、開発者向けの早期アクセスを開始している。
主要スペック

- 解像度:FHD(Full HD)
- 視野角:70度(光学シースルー)
- チップ:XREAL X1S 空間処理チップ
- 接続方式:コンピュートパック(有線)
- OS:Android XR
- 価格:未発表(2026年内コンシューマー向け展開予定)
70度FoVが意味するもの

現行のコンシューマーARグラスの大半は25〜52度程度のFoVにとどまる。XREALの既存製品(Air 2 Pro等)は52度だ。Project Auraが実現した70度は、視界全体のおよそ35〜40%をカバーし、情報が「画面の中」ではなく「目の前の空間」に自然に浮かんで見える体験を可能にする。デモ映像ではGoogle Mapsの没入型ナビゲーション・180/360度YouTubeコンテンツ・ラップトップへのDisplayPort出力(Gemini AI連携付き)が公開された。
Android XRとGoogleのエコシステム戦略
Android XRはGoogleが2025年末に発表したXR向けOS基盤で、visionOSに対抗するプラットフォームだ。Project AuraはこのOS上で動作する初のARグラス製品として、GoogleとXREALの密接なパートナーシップを象徴する。GeminiをOSレベルで統合しており、音声・視覚・コンテキストを組み合わせたマルチモーダルAIが標準で利用できる。
$100Mの調達と量産体制
XREAL はProject Aura発表に前後して1億ドル(約150億円)の資金調達を完了した。Googleを戦略パートナーに含むこのラウンドは、サプライチェーン整備と量産立ち上げを主な用途とする。2025年5月にも浦東創投が主導した¥2億元(約43億円)のラウンドを完了しており、2025〜2026年の調達総額は$128M超に達する。
現場の見方:コンシューマー前夜の「開発者ゲートウェイ」
Project Auraは現時点では開発者向けの早期アクセス製品という位置づけだが、コンシューマー展開は2026年内を目標としている。70度FoVとAndroid XRの組み合わせは、これまで「画面を貼り付けたグラス」の域を出なかったARグラスカテゴリーを、真の「コンピューティングを身にまとう」体験へと引き上げる可能性を秘める。価格発表と正式発売の時期が注目される。