【metaで大注目のビジネス】メタバースの市場規模ってどれくらい?90-900兆円まで?複数の調査結果を見てみた
Facebookのmetaへの社名変更をはじめ、メタバースでのビジネスが様々なところで展開され始めています。
2021年は、まさにメタバース元年とも言える盛り上がりを見せています。
そんなメタバースという領域で新たなビジネス展開やビジネス参入を考える企業も多く存在するのではないでしょうか。
ビジネスチャンスを明らかにする上でも、気になるのはその市場規模。
2021年11月時点での情報をもとに、メタバースの市場規模に関わる情報を整理していきましょう。
メタバースビジネスの市場ってなに?
メタバースビジネスの定義
まず「メタバースビジネスの市場」って何でしょうか。
メタバースビジネス自体の定義や領域については別の記事にてまとめますが、
結論、誰もが納得できるような明確な定義はまだないようです。
むしろ、様々なサービスが出てくることによって、メタバースという形が明らかになっていくはずです。
その上での市場規模の考え方
メタバース自体に明確な定義がないからこそ、メタバースの市場規模を推し量る上では、
周辺ビジネスも含めて、どれくらいのビジネスポテンシャルがあるかを考えていく必要があります。
MARKETYSERS GLOBAL CONSULTING LLP のグループ会社である Emergen Researchは Emergen Researchは、ハードウェアとソフトウェア、それぞれにおいてメタバースの生み出す市場規模を分類して調査しています。
ハードウェアは主にメタバース空間に没入するためのVRデバイス(その他にもディスプレイやスマートグラスなどのXRデバイス)、
ソフトウェアはヴァーチャルプラットフォーム、資産マーケット(メタバース内不動産など)、アバター、金融サービスなどを含みます。
領域広すぎますね…汗
特に、この資産マーケットや金融サービス、あるいはアバターの着せ替え等のコンテンツの背景には、
そのデジタルコンテンツの唯一性を保証するために、NFT(Non-Fungible Token(非代替性トークン))の技術が重要になってきます。
そこで、最低限のポテンシャルを知るために、
ここではまず、メタバースと切っても切れないハードウェア含むVR領域と、
現状のメタバースサービスで展開されているNFTビジネスのポテンシャルを見てみましょう!
VR/AR視点から見たメタバースビジネスの市場規模
メタバースと聞くと、VRヘッドセットをつけて、ヴァーチャル空間内に入り込む、そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
まさに、映画『レディ・プレイヤー1』の世界。
メタバース空間を楽しむために重要な役割を果たすVR/AR。
そのAR/VRディスプレイ市場規模ですが、
2018年の89.0億ドルから2019年は168.5億ドルに急伸。
2023年に1606.5億ドル(約17兆3000億円)に達すると予測されています。
年平均成長率が78.3%と、非常に高い成長率で成長している市場。
さらにFacebookがMetaへと社名変更をして、本格的にメタバース市場を獲りに来た今、
さらなる成長率UPも期待される市場環境になっています。
このまま100兆円を超える規模感になっていくか、ここからの大きな展開に注目ですね。
NFT視点から見たメタバースビジネスの市場規模
一方、ソフトウェアの観点で大注目のNFT。
NFTって結局何なの?という方はこちらのインタビューがわかりやすかったのでぜひ!
さて、その市場規模ですが、現在DappRadarの最新市場レポートによると、
2021年7-9月期のNFTの取引高が106億7000万ドル(約1兆1945億円)と、
前期(4~6月)比でなんと704%増!
年次で比較していくとどうなるかというと、日本総研の調査によると、
NFTの取扱高は2021年1-3月だけで前年(2019年)全体の取扱高の5倍以上(15億ドル)とのこと。
前期比だけで700%を超える成長速度で、上述の通り1-9月だけで考えても前年比数万倍というビジネス規模。
成長率すごすぎ…
今年が「NFT元年」と言われても納得度が高いですよね。
[2021年11月最新!] モルガン・スタンレーが評価したメタバースビジネスの市場規模
最新の市場規模をモルガン・スタンレーがレポート公開!
そんな中、世界的な金融機関グループのモルガン・スタンレーが、
メタバースの市場規模はこれだ!と示したレポートを公開しました!
だったら最初からそれ出せよ!という皆さん、ごめんなさい!
でも周辺も含めて成長基調であることは間違いなく、VRやNFTの市場を抑えておくことは非常に重要だと思い記載しました。
モルガン・スタンレーがメタバース市場をどう見ているのか、どう評価しているのかについては、
詳細は以下の記事にも記載されています。
また、英語の解説動画ですが、投資家のDave Leeさんが今回のレポートの要点を解説してくれています。
気になる市場規模は?
さて、気になる市場規模ですが、モルガン・スタンレー曰く、
8兆ドル (約915兆円)
とのこと。
獲得可能な最大市場規模、という前提ではあるものの、
非常に大きなマーケットサイズがそこに存在しているということを予想していることが分かります。
また、メタバースを「次世代のSNSであり、ストリーミングであり、さらにゲームプラットフォームである」と、
その多方面への可能性を示唆しています。
その中でも、大きな成長を期待されている株式銘柄が、
Meta、Roblox、Alphabet、Snap、Unity Softwareといった5銘柄。
今後、この5銘柄の成長には注目ですね。
さらに、初期の段階では、広告およびeコマースのプラットフォームとしての成長が予測されているとのこと。
最もこの市場を牽引していくと言われているMetaが、旧Facebookとしての広告ビジネスの力を
どれほどこのメタバースに活かしていけるかがキーポイントになりそうです。
[11月最新その2] もう一つあった!Emergen Research社の市場調査レポート
メタバースはxx兆円市場!?
モルガン・スタンレーのレポート公開の約1週間後、各セグメント別の市場規模など含めた詳細レポートを、
MARKETYSERS GLOBAL CONSULTING LLP のグループ会社である Emergen Researchが出しました。
Emergen Researchによると、メタバース市場は、
2028年に8,289億5,000万米ドル (約93.9兆円)
に達すると予測されています。
そのCAGR(年平均成長率)は、43.3%。
モルガン・スタンレーのレポート内容と比較すると、少し現実的というか、
カテゴリごとで積み上げ式で算出されていった数字のようです。
そもそも、モルガン・スタンレーのレポートについてはTAM(獲得可能な最大市場規模)なので、
完全に市場がメタバースでリプレイスされたら…といった大胆なケースを想定しているものと見て差し支えないでしょう。
注目のカテゴリーは?
Emergen Researchのレポートには、各分類ごとに最も成長性の高い分野をまとめられています。
分類項目 | どういった要素か | 項目リスト | 最も成長性が高い項目 |
Components | ハードウェア or ソフトウエア | ・ハードウェア ・ソフトウェア | ハードウェア (VR,AR,XRデバイス) |
Platform | PC or モバイル | ・PC ・モバイル | モバイル |
Offering | どんなサービスを提供するビジネスか | ・ヴァーチャルプラットフォーム ・メタバース内資産の市場 (アイテムのマーケットプレイスなど) ・アバター ・金融サービス | ヴァーチャルプラットフォーム |
Technology | どんな技術基盤によるビジネスか | ・ブロックチェーン ・AR & VR ・MR (Mixed Reality) | MR (Mixed Reality) |
Application | メタバースビジネスの適用先はどこか | ・ゲーム ・オンラインショッピング ・コンテンツ制作 ・ソーシャルメディア ・ビジネス向け会議 ・ヴァーチャルファッションショー ・航空機整備 その他 | ゲーム |
End-use | 提供先の業界はどこか | ・ファッション ・メディア & エンタメ ・教育 ・航空 & 防衛 その他 | メディア & エンタメ |
まとめ
ここまでメタバースの市場規模に関しての情報をまとめてきましたが、
定義がまだ曖昧でそれらしい数字が見出しにくいこと、
すでに出ている調査でも10倍ほどの市場規模予測の開きがあるため、
「どの期間に」「どれ程のビジネスチャンスが」「具体的にどの領域で」といった
期待値の分析/詳細化が必要そうです。
メタバース市場自体の明確化と、獲得可能な市場規模にどれだけ現状のビジネス規模を広げられるか、
既存事業へのメタバースの果敢な侵食が重要になってきそうです。